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2010年10月26日 (火)

河音さんの著作集第三巻『封建制理論の諸問題』発刊


 河音能平さんの著作集の第三巻が、昨日、届いた。私は解説を書いたので、人より早い。全体は来週の手配になるという文理閣の黒川さんの手紙付き。彼女曰く、「一番厚みのある巻ですが、(既刊の二巻と)背中をそろえると堂々たるものだと、一人喜んでいます」と。彼女とは校倉書房のYさんと一緒に一度飲んだことがあるだけだが、この本を出すことを本当に喜んでおられるのが伝わってくる。

 表紙は「カバーデザインに使用したのは、河音先生のおみやげとして高橋昌明先生が提供してくださいました」ということ。

 今日朝、この本を読みながら来たら、東京駅の地下鉄で中国史のSS教授とばったり。私の「封建制概念の放棄」というのはどういう意味かという話になる。これは再検討ではなくて、「放棄」ですという。彼は「単系発展段階説、四段階学説」が国家学説になっている状況をどう考えるかが気になると。

 国家学説などがあるのが全体主義の証拠なのだが、それも一つの社会構成という持論を説明すると、それは過去を見ないと全体主義というものはわからないということかと。考えてみると、それはその通り。これは面白い示唆をいただいた。全体主義はある意味で、つねに社会の過去への固着なのかもしれない。

 教授は、ともかく、「単系発展段階説」は発展段階論者が内側から崩してくれないとどうしようもないという。お答えは、この本の解説に書いたようにここ50年やっているのだが、なかなかうまく行かない。結局、社会状況のカオスとネットワークの現状を認め、そこからさかのぼって、多様なルートと社会類型を設定するほかない。全体説明は宮崎市貞氏のような議論に依拠した上で、もう一度、その多様性を説明できる経済史の基礎範疇の検討から出発するほかないと、さらに大塚久雄先生の話。

 15分でも、いろいろな話しができるものである。

 話していて、今日はパンを買わなかったので、昼、今から食事にでる。

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