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2011年9月21日 (水)

地震火山44地震学研究者に教えていただきたいことーーアムールプレート

 地震学研究者に教えていただきたいことがあります。7月31日の「日本と韓国の地震の連関性」という記事で、そして、八六九年(貞観一一)の陸奥沖海溝地震の後、韓国で地震記事が連続していることを報告しました。その最初は、新羅の王都慶州でのことで、陸奥沖海溝津波から一年もたっていない、八七〇年四月のことです。そして、その後、同じく王都・慶州で、八七二年四月、また八七五年二月には王都および東部で地震が発生した記録が残っています。これは地震があったというだけの記録で、被害の記録もありませんが、八七〇年代に地震記録が三回も集中していることは、一般に地震記事が少ない朝鮮の史書においては特異なことであると考えられます(『三国史記』)。
 またここからすると、八六九年(貞観一一)年7月14日、つまり陸奥沖海溝津波の起きた約二月後に、肥後国において相当の規模をもつ津波地震が発生していることも重要だと思います。この肥後地震は宇佐美先生の被害地震総覧では地震であるかどうか疑問とされていますが、3月28日の貞観の肥後地震についてのエントリで、これは地震であることを説明しました。
 私は、現在のプレートテクトニクスが東アジアのプレートの運動をどのうように解いているのかについての基礎勉強をしておりませんので、申し訳なく思いますが、これらは、日本列島のプレートの運動と韓国南半部の地殻の運動の連動性を示すのではないかと考えました。
 そのようなことを考えましたのは、昨年、『かぐや姫と王権神話』を書いた時に読んだ江原幸雄『中国大陸の火山・地熱・温泉』(九州大学出版会、二〇〇三)の理解によります。それによると、「東北アジアの火山分布は、(1)カムチャッカから日本列島につづく太平洋プレートの沈み込みにともなう火山帯、(2)内モンゴル自治区に聳える大興安嶺山脈と黒龍江省から韓半島にむかう長白山脈に広がるホットスポット型の玄武岩質火山の二列に区分される」といいます。そして、江原氏は東北アジアのホットスポット型火山は日本周辺でのプレート沈み込みに関係して生まれたものであろうとしています。
 これは、その意味では火山にも関係してくる訳ですが、これらをアムールプレートの運動にそくして説明した論文で、他分野の私でも理解しやすいものはありませんでしょうか。
 
 なお、もう一点、五月7日のエントリで、白頭山の南北朝鮮共同研究の会議が行われる予定であるという朝日新聞の記事にもとづいて、東アジアレヴェルでの協同研究が進むのではないかという期待を書きましたが、先々週、京都であった韓国の紙の研究者に聞いたところ、たしかに、その会議は行われ、韓国では大きく報道されたということでした。日本では、詳細の報道はなかったように思います。これについてもご存じのことがありましたら、御教示を御願いできれば幸いです。
 もし御教示をいただける場合は、このページの左側に私の自宅のメールアドレスがありますので、それを御利用いただければ幸いです。

 今日、テレビの人がきて、八・九世紀の地震噴火と「貞観地震」についてのレクチャーを頼まれた。そこで、本当に八九世紀を「大地動乱の時代」といってよいのかという質問を受け、歴史学の側からいえることは述べた。日本の前近代史において地震史料は、各時代に相当の濃度で存在していること、その中で、噴火・地震の全体を比べると、やはり八・九世紀はそれらが多いこと、それをこの時代に『六国史』が存在するための見かけの現象とはいいがたいこと、『六国史』ではなく、『類聚国史』(道真編)によって9世紀の地震史料は網羅されていると考えてよいこと、さらに陰陽寮は観測と記録とアーカイヴの体制をもっていたと考えてよいことなどを説明した。また地震学者の中でも、今村明恒・石橋克彦・都司嘉宣などの諸氏は、8・9世紀に地震が多いことをほぼ承認していることも述べました。
 しかし、現状では八・九世紀が大地動乱の時代であるということを自然科学的な証拠をもって明瞭に指摘することは、現在の研究段階ではむずかしいように思います。そしてもし、そういうことが自然科学的な蓋然性としていえるとすると、それは東北アジアレヴェルの地殻運動の連動の波をどう考えるかにも関わってくるように思います。それはアムールプレートの動きについての東アジア規模での地質調査や地球科学の協同的研究をまって徐々に確定していく問題であろうと思うのですが、これは、人文科学にとってもたいへんに大きな問題に関係していると思いますので、以上のような御願いをしてみました。

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