岩波文庫「私の三冊」
昨日はひな祭り。娘と相談があって昼食事。彼女に草餅をかってもらい、その後、私は、稲毛浜へ自転車。久しぶりの浜辺である。漁船がおいてあった。30年くらい前まで現用の小型底引き漁船。これで相当沖まででていた。
必要があってド・ラメトリーの『人間機械論』を書棚から探し出した。大拙とラメトリーなどというのは昔の話か。娘にラメトリーをどう読んだかと話しても現実感はないか。
「人間の存在の理由が、その存在そのものの中にないかどうか、誰が知っていよう。人間はおそらく偶然に地球の表面のどこか一点に投
げ出されたものであり、いかにして、またなにゆえ投げ出されたかは知ることができず、ただ生活し、死滅しなければならぬことを知りうるのみである」。
「われわれは自然の野においてはまことに一匹の土竜にほかならない。われわれのそこに印する足跡はこの動物の歩く距離と似たりよったりである」(人間機械論)
以前に書いた岩波文庫からの「私の三冊」を下記に。
(1)『経済学・哲学草稿』(マルクス/城塚登・田中吉六訳)
高校時代、はじめて徹底的に読んだ「哲学書」。傍線の跡が懐かしい。私は歴史学に進んだが、今から考えると、天才的な思想の発生の場を確認する作業は歴史学のテキストクリティークに似ている。
(2)『人間機械論』(ド・ラ・メトリ/杉捷夫訳)
唯物論は「物」への感性を大事にする面と、「物」に特殊な呪術性を与えることへの哄笑の両側面をもつ。そこから生まれる明るい冗舌と快楽主義によって、現代を告知したフランス唯物論の傑作。
(3)竹取物語(阪倉篤義校訂)
私は岩波文庫の薄いのが好きだ。安いから高校生も揃えやすい。『竹取』の著者は、日本思想史において始めて王権・天皇制に対峙する想像力をもった人物。日本文学の中でも出色の完成度をもつ。
『図書』臨時増刊、2007年四月
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