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2013年12月 5日 (木)

鎌倉時代の通史

Kasugakaguya20131205


 通史を考えている。まずは政治史、そして東アジア世界との関係、さらに社会構造という章立てである。
 各時代の基本枠組を、すべて、原稿用紙400字詰め10枚以内で書くのが目的。鎌倉時代の通史をWEBPAGEにあげてみた(tsuushi8)。年内には、古墳時代から戦国時代までを完成する予定。

 最終的にはそれをふくらませて通史とすることが必要であるが、こういう形でメモを作り、おおざっぱな見通しを確保することを優先させて、徐々に全体をつじつまのあうものにしていきたい。

 現在の日本をみても、政治史、そして東アジア世界との関係、さらに社会構造について原稿用紙10枚で述べなさいということが必要であると思う。歴史学というものは、本来は、そういうことができる学問でなければならないというのが、私などの世代の確信である。過去の時代をみるように現在をみること。現在の社会をみるように過去をみること。それは別の言い方をすれば、歴史学が社会科学であるということである。そもそも、原稿用紙10枚で語れない「科学」というのは科学たりえないと思う。

 しかし、現在の日本について、原稿用紙10枚で述べるというのは、いまのところなかなかむずかしい。とくに問題なのは、東アジアと世界史について明瞭なことがいえないことである。世界史の動きを全体として理論的かつ長期的な視野で説得的に論ずる。考え方はあるが、しかし、いま、それができる条件も準備もない。そういう歴史家ではしょうがないと思うが、しかし、それが私などの実情である。

 昨日は旧職場の同僚たちと忘年会で楽しく飲んだ。私などの世代とはまったくことなる雰囲気になっているが、それは職業としての歴史学が成熟しつつあることの証拠でもあるので、やむをえないものと思う。しかし、無責任なようで申し訳ないが、職業から離れてみえてくるものというのもある。 
 
 国会や大学のみっともなさと比べて、市民社会の動きには目をみはるべきものがあると思う。写真は生活クラブ生協の『生活と自治』12月号にのっていた千葉県柏市の市民農場。「みんなで支える近所の畑」というフレーズがいい。大学の園芸科で農業を学んだ二人の女性が起業したという。今風の言葉でいえば、地域のコモンズと専門性の出会いということであろうが、これは確実に社会の基礎となるはずのものである。それを原点にして歴史が書けるかどうか。

 秘密保護法案が参議院の委員会で強行採決されたようである。なんということをするのか。偉そうに。彼らは自分たちの地位を身分か階級のように思っているのである。

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