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2014年3月18日 (火)

る「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」平成25年度成果報告シンポジウム」

 東大で行われている「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」平成25年度成果報告シンポジウム」(3月12日(水)10:10 ~ 14日(金)に出席中。この集会については地震研のHPにでている。

 毎年、3月に地震火山観測研究計画の進捗状況を、こういう集会で確認し、総括して、次年度の研究計画を討議する集会ということである。しかも今回は、今年度で5年間の研究計画が終わり、来年から新しい5カ年計画がはじまるので、この5年間の総括もふくめてという大規模な集会である。

 この列島に棲んでいる人類が、ともかく、この列島の動きを自己認識しようとして、精細な観測装置と情報システムを作りだし、細かく細かく地殻の中と、その動きをみようとしている様子がわかる。その中心で研究している人たちが、300人くらい集まっているのであろうか。

 群体として「国民」あるいは「民族」というものを考えてみると、その群体の一部の人々が地面に耳をあてることを仕事としていて、しかし、昨日・今日はそのなかで聞こえてきたことを相互に話しているという感じである。

 聞いていても、ほとんどわからない。八分の七はわからない。けれども、スライドには何度も何度も東北の地図、2011・3・11の震源や津波の地図、そして日本列島全体の地図がでる。そして、たしかにいろいろなことが分かってきているらしいということがわかる。たとえば丹波山地。丹波山地(京都から大阪)と琵琶湖西岸では地震が多い。とくに丹波山地(京都から大阪)では地震が定常的におきている。火山もなく、大きな活断層もないのにもかかわらず、地震が定常的に起きている。その理由は、丹波山地の下でフィリピン海プレートが降下している。そこから水がのぼってきて、山地の地下地盤を緩くするという事情であるそうである。

 今は地震発生予測システムの構築というセッションである。すべての観測データと過去データ(史料・考古・地質)をあわせてわかってきたことを巨大なコンピュータにいれて、地殻の運動をプレートレヴェルから個々の地域レヴェルまでシミュレーションをする。それを現場観測とモニタリングのシステムに接合する。そして、各地域で地震発生と予測のイヴェント・ツリーを作っていくという方向の議論があった。シミュレーション―モニタリング―イヴェント・ツリーのシステムによって、予測の制度を少しづつでもあげていくということは可能であるという見通しを地震学の人々がもっているように感じた。もちろん、それでもおそらく警報らしい警報をだせるのは、100年以上はかかるのであろう。精細な情報を確保していくためにはさらに長い時間がかかるのだろう。しかし、この列島に人類が棲んでいくためにはどうしても必要な仕事だと思う。

 昨年の科学技術学術審議会で一緒をした火山学のIさんに会う。学術の社会的な役割と科学の学術価値が矛盾する側面についての話しになる。私は、全体としては矛盾しないはずであるという楽観論。個々人の研究は細かくなるばかりだからさまざまな矛盾はでてくるが、学際的な研究をふくめて考えれば矛盾を乗りこえるところから新しい可能性がでてくるというようなことを申し上げる。
 
 土曜は、千葉の朝日カルチャーセンターの講演シリーズ「歴史から地震を読み解く」を聞きに行く。4回の講演の企画に参加したので、各回すべてにでて聞いた。千葉の地震の「歴史と予知」について、なかなか聞けない話しで勉強になった。

 今回は産業技術総合研究所海溝型地震履歴研究チーム長の宍倉正展氏の講演「地形や地層に刻まれた関東地震の歴史」。3,11の6ヶ月前に、宮城テレビで宮城県沖地震について話されたときのVIDEOが圧巻。「津波痕跡の調査結果からすると、近く99パーセントの確率で起こるとされている宮城県沖地震のマグニチュードは、従来の宮城県沖地震のレヴェルをはるかに超える可能性があります」という宍倉氏の発言をきいて、聴講の方々が驚いて大きく息を吸ったのきこえた。

 宍倉氏の講演の事前概要は次のようなもの。「関東地震は何千年,何万年とはるか昔からくり返し起きています。地震のたびに起こる地殻変動は房総半島の地形を形成し、津波は地層のしま模様となって残されています。本講座では地形や地層から関東地震の歴史を読み解き、そこから見える将来の関東地震像についてお話しします」。

 もう一度、何らかの形で、こういう講座をもちたいものだと思う。
 とくに小学校・中学校・高校で、地域の地震研究を基礎にした系統的なカリキュラムが必要だと思う。
 講演を終えた宍倉氏と飲む。宍倉氏とは、上の地震研の集会でもあったので、その観想。なにか、みていて、この列島に研究者が蟻のように群がって、聴診器をあてているという感じがしたといった。
 3年前の3月17日。地震研で行われた東日本太平洋岸地震直後の研究集会で会ってからは初めてのことである。いろいろなことを考えさせられた。

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