沖縄市の市長選挙の結果の衝撃
朝の仕事前。
沖縄市長選挙の結果が衝撃である。
昨日の開票結果は、▽桑江朝千夫(無所属・新)当選、2万9968票、▽島袋芳敬(無所属・新)、2万7779票ということ。「自民党と公明党が推薦し、民主党、日本維新の会、それに、地域政党のそうぞうが支持する元沖縄県議会議員の桑江氏が、共産党、生活の党、社民党、それに、地域政党の沖縄社会大衆党が推薦する前の副市長の島袋氏を抑えて、初めての当選を果たしました」ということである。
沖縄市の有権者数は10万1122人(男性4万7958人、女性5万3164人)であって、投票率は、57,73㌫。
島袋氏の先任の東門美津子氏は2006年4月の選挙で当選。得票は2万8709票。その時は桑江朝千夫氏は2万6659票。やはり2000票差。その時の支持政党は、社民、共産、社大、民主、自由連合推薦。それに対して、桑江朝千夫氏は、自民、公明推薦。
前回2010年は、東門氏が共産、社大推薦。2万3013票を獲得し、元県歯科医師会会長の喜屋武満氏(62)=無所属、自民、公明推薦、前市議の江洲真吉氏(60)=無所属=の新人2氏を破り、2選。東門氏は自公体制で選挙戦に臨んだ喜屋武氏に1467票の小差だった。
ようするに島袋氏は前回東門氏の得票より4766票をのばしたが、支持政党が(1)社民、共産、社大、民主、自由連合推薦から、(2)共産、社大推薦、(3)共産党、生活の党、社民党、それに、地域政党の沖縄社会大衆党と変化し、「自民党・公明党・民主党・日本維新の会・地域政党のそうぞう」という政党連合には対抗できなかったということである。共産党、社民党などの基礎票は前回参院比例では1万6000というから、政党配置が圧倒的に不利なところでがんばったということである。 こういう結果をマスコミが「自民復調」などというのは詐欺に近い。
以上は、琉球新報の選挙データをみてみた。すぐこういう分析ができるというのはネットワーク社会であると思うが、でてくる結論は単純なこと。
ようするに問題は「民主党」なる政党である。つねにどっちつかずの態度を取り、見識がない。この政党はこの国にとって重大な時期に政治文化の愚劣さを表現してしまった政党である。これは少しでも事態を分析すればすぐにわかる単純な事実である。
学者は、この政党に対して、一切、支持するべきではなく、つき合うべきではない。これまで何らかの意味でつき合ってきた人々はその間違いをはっきりと猛省するべきである。それをしないで聞いた風なことをいうのは学者ではない。この第二に愚劣な政党がいるお陰で、愚劣であること許されるということになっているのである。
日本社会で共産党と社民党の支持率が低いというのはやむをえない。政党レヴェルでの普通の展望がみえないというのは、実践の問題であり、社会に存在する閉塞感や不透明感と不安などの全体のもたらすものである。さらにそれは、世界史的な問題であり、そう簡単なことではない。率直にいって学者個人がどうこうできることではない。本当に政治レヴェルでどうにかしたいなら、あるいはこれらの政党が気にくわないなら、学者・評論家をやめて政治家になるほかない問題である。「儒者はもとより身をわすれて幼き時より長となるまで学問を本とす」という覚悟をとるか、政治の現場で生きるか、これは二者択一である。その間に軟弱の道はない。
沖縄のことと東北のこと。これは民族の共同性ということを考える以上、第一の問題である。こういう問題は、大異をすて協同につくべきことである。そういう判断をするのが成熟した民主主義の自信というものであるが、それを十分にはっきりと言明する。少なくとも間違ったことはいわないというのは学者の最低の義務であるはずである。ここ20年の政治をみて、猛省しなければならない。そのくらいの見通しがなくて何で学者として生計を立てることが許されるのか。この点では学者にもおのもおのも大きな責任があるはずである。自己の脳の活動に嗜癖するのが学者であるということであってはならない。
学者・歴史学者にとって沖縄の平和と基地撤去は、それだけ、どうしても譲ることのできない問題である。歴史家として閉塞感と不透明感を少しでも解いていく作業に集中したい。
4月16日に東京で「普天間飛行場負担軽減進作業部会」の第2回会合が開かれ、沖縄から高良倉吉副知事や又吉進知事公室長らが参加している。目取真俊氏が、そのブログで、歴史学者の高良倉吉副知事を強い言葉で批判している。どういうことだろう。私は、安良城盛昭氏の葬儀で顔をみたことがあるだけだが、業績のある歴史学者の行動としては考えられないことだ。
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