三重県地震碑、津波碑の集成、『いのちの碑』
三重県の新田康二先生が作成したパンフレット『いのちの碑』です。
2月に三重県高等学校社会科研究会の講演にうかがった際、先生方と一緒に私
も新田先生の案内と運転で、屈曲の多い道と急な坂道を通って案内 していただ
き、その徹底的な調査の御様子を知りました。
副題に「地震碑、津波碑、遺戒碑、供養碑、墓碑など」とあるように、三重県
で新田先生が調査された100基の碑文に刻まれた碑文の翻刻、所 在地、大き
さ、建立年、想定される関係の地震・津波などのデータからなっています。
明応地震津波、宝永地震津波、安政地震津波、東南海地震津波という三重県で
確認できる四枚の地震津波の関係地図があり、そこに各々の碑の所 在地がマー
クしてありますので、全体像を捉える上で至便です。
最後のページには、「三重県の津波碑などの概況」という小論文もあります。
それによると調査の目的は、(1)死者の声を聴くために釈文の集大成を行う、
(2)宝永・安政・昭和東南海地震での津波最大遡上高はどの高 さまで来たかの二
つにあるということである。
このパンフレットを入用の方は、新田康二先生まで直接に御申し込みくださ
い。メールアドレスはnitta.ya@mxs.mie- c.ed.jpです。送料込みで482円ということです。
地震学、歴史地震学の方はお持ちいただいた方がよいと思います。
千葉の朝日カルチャーセンターで古山豊先生にお願いして、千葉の元禄地震・
大津波について話しをうかがったが、各県各地で、こういうパンフ レットが必
要なのだと思う。
なお、三重での現地見学について、2014年2月23日 (日)のブログに「地震火山
105志摩の津波碑、三重県高等学校社会科研究会の講演」という記事を載せてあ
ります。
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