石母田さん
先週から著書の序論部分の完成にかかって、ようやく終わった。今日は文章を直す。秋への準備にきりかえなければならない。
以前にあった原稿に国土高権論をつけくわえたのだが、結局、都市貴族論・国土高権論の双方を石母田さんの話から始めることになった。「宇津保物語についての覚書」と『中世的世界の形成』である。その必要があって、石母田著作集を繰っていると青木和夫先生の解説に目がとまる。最近、青木先生が石母田さんについて厳しいことをおっしゃっていることを考えていただけに、青木先生の感情のこもった文章におどろく。何度も読んでいるはずであるが、
『中世的世界の形成』を読んだのは学部4年のときだから、もう40年近くとりつかれていることになる。
序論を書いていてもう一つ自分ながら驚いたのは、高橋昌明・木村茂光・斉藤利男・西山良平など、同世代の平安時代研究者への言及が多いこと。これはやはり同世代なのだと思う。世代の研究意識が自然にしみ通ってくるというのはどういう構造なのであろう。
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