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2015年4月14日 (火)

何処かの出版社で、「東アジア世界地図帳」を作ってくれないだろうか。

 何処かの出版社で「東アジア世界地図帳」をつくってくれないだろうか。
Rekisitizu


 北海道から沖縄まで、普通の日本地図で90頁だろうか(60万分の一の地図を基本に)。
 普通の地図帳についている索引などはいらないから、それに50頁ほどの東アジアの世界地図をつけてほしい。全部で160頁ほどで、厚すぎず、重すぎずというものがほしい。

 シベリアからフィリピン・ベトナム・カンボジャまでは、主要な地名が山脈・河川・海の形がわかるように入れてほしい。
 そして、巻頭には、上のようないわゆる「逆地図」を巻頭にしてほしい。日本列島は、こういう視線で見られていたのだし、こういう視座で我々の先祖は生きていたのだから。

 そして、できれば巻末には、旧国名(信濃国・近江国など)入りで、江戸時代の諸藩の詳しい境界図と海路図をあわせて載せてほしい。我々の列島は、文化と産業をふくめて、この時期に現在の姿をとったのだから。
 
 日本列島に棲むものが、江戸時代までに実際に縁をもち、自分たちの世界と関係させてイメージしていた世界である。だいたい、上の「逆地図」の範囲である。こういう地図の精度の良いもの、美しいものを作ってほしい。
 経済・政治・社会で、東アジアとのつきあいは増えることはあっても減ることはない。プラスの関係であることを望むが、マイナスをふくめて、ともかく増えることはあっても減ることはない。実務の上で、そういう地図帳が必要になっているのではないだろうか。
 よくいわれるのは、「お隣の韓国の地名を7ついってみよう。海の向こうのアメリカの地名を7ついってみよう。どっちが楽だった」という設問である。
 これは、普通、アメリカの方が楽だと思う。韓国とアメリカについて、いろいろな考え方はあるだろう。しかし、こういう基礎知識のレヴェルで差があるというのは、私たちの国の文化構造、知識構造の特徴であることは確かだ。別に上の「東アジア世界地図帳」にアメリカを入れるなというのではない。環太平洋世界というものが大きな意味をもちだしているということは事実だからである。しかし、やはり常識的にいってまず「東アジア世界地図帳」があった方がよいように思う。

 地図帳というと、「日本地図」「世界地図」の二冊というのが、そういうパターンがまずいのだと思う。
 (1)「東アジア世界図(ふくむ日本)」、(2)「環太平洋世界図(ふくむ東南アジア)」、(3)「ユーラシア地図(ふくむヨーロッパ・アフリカ)」という三冊構成、あるいは(1)(2)をあわせてしまって、2冊構成の地図帳という考え方があってよいのではないだろうか。

 地理学の人たちはどう考えているだろうか。歴史学からいえば、これは「日本史・世界史」という二パターンで人類史を考えてしまう「慣れ」「慣習」「偏見」と同じことであると思う。

 地理学の場合は、さらに「国境」というのが関わってくるだろう。実務に必要なのは、国境ではなく、地名である。世界はまずばらばらにしなければならない。バラバラにするのが基本であって、そのレヴェルでの知識を基礎知識、基礎感覚というのであろうと思う。

 
 小学生のときにもらったら、ずっと使えるものがよい。同じ本を小学生から中学生、そして大学まで持ち続けるというのは、本との接触の仕方ではたいへんに大事なことだと思う。私は、中学生のときに母に買ってもらった『字源』を、最近、諸橋轍次の大漢和を購入するまで、ずっと使っていた。そういう形で使えるのは、地図と辞典ではないだろうか。
 デジタルとコンピュータは重要で、欠くことはできないが、やはり、「物」としての本をみて、さわってきたという経験の上に、「知識」が残るというのは精神にとって大事なことであるように思う。そんなことを今になって考える。

 私は歴史家なので、地名の知識が必要になる。実にしらないもので、それを手早く確認するためには、もちろん、今はネットワークを使わしてもらう。平凡社の歴史地名辞典があるので、すぐに詳しく調べられる。それはすばらしいことだと思う。40年前、研究をはじめたころにはそんなことはできなかった。グーグルアースでやれば、地形までわかる。
 ただ、地図帳で確認する驚きというのはやはりある。

 いま、「基本の30冊」の29冊目で、榎森進氏の『アイヌ民族の歴史』を取り上げるので、やっと半分読んだ(600頁あるのです)。ともかく地名を確認しながら、東北北海道の全体を地図帳でみながら読んできた。そういうなかで、上のようなことを感じる。

 昨日は「アシタカ」の地名を確認した。「もののけ姫」のアシタカはアイヌ出身と設定されているが(入間田宣夫「もののけ姫と歴史学」『東北学』25号)、そのアシタカの出自の地を、北奥のアイヌ地名を追いながら確定していく、榎森進さんの作業を読むなかで確認した。

 ところが、アイヌの歴史に直結するサハリンとマンジュ国のヌルハチの動きを確認するなかで、清の初期の首都、審陽の場所を確認するために、そしてサハリンとシベリアの地名を確認するために世界地図帳を探したが、でてこなくて、時間がかかった。

 そういう事情で、「東アジア世界地図帳」がほしいと考えたのです。どこかの出版社がださないでしょうか。アイデアは、協力します。

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