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« 安保法制は、廃案にするほかない | トップページ | 安全保障関連法に反対する学者の会の戦争法「採決」強行への抗議 »

2015年9月19日 (土)

四野党は安保、辺野古、原発ですぐに政策協定の作業をはじめてほしい。

安保法制廃止、辺野古基地建設停止・普天間撤去、原発政策転換で四野党は政策協定を。

 安保法制強行のなかで、考えざるをえないのが、これを廃案にするためにどういうことが必要かということである。

 私は、これ自体は、誰でもわかる非常に単純なことだと思う。つまり、国会前の集会に参加していた政党が平等な立場で政策協定をむすび、選挙協力をすればよいのだと思う。

 私は、国会前の集会で小沢一郎氏が、私はこういう場所にでたことはないが、この法案だけはつぶさねばならぬと思ってでてきたと発言するのを聞いた。民主党・日本共産党・社会民主党・生活の党の4野党の国会前での発言を聞いていれば、安保法制廃止を中心にして、これらの政党が政策協定をして、選挙協力をするべきことは、これらの政党の義務である。

 もちろん、その上でいくつかの問題はあり、第一には、これら政党が政党としては平等な立場を相互に確認すること、第二に、これらの政党に集まっている国民の支持の現状にみあった立候補を保証すること、第三は政策協定には、辺野古基地建設停止・普天間撤去、原発政策転換を加えることなどが必要であると思う。

 今からみれば、今回の事態の根源は、日米政財界および軍部の一部に巣くう安保利権集団といわれる集団が地盤となって周到な計画をつめてきて、昨年12月の総選挙を最後のチャンスとみて全力をあげ、小選挙区制の制度的虚構を利用して、議席上の優位を確保したことにある。河野自衛隊統幕長が総選挙直後に訪米し、米軍幹部に「現在、ガイドラインや安保法制について取り組んでいると思うが、予定通りに進んでいるのか」と問われ、「与党の勝利により来年夏までに終了と考える」と発言したこと(統合幕僚監部の文書「統幕長訪米時の(ママ)おける会談の結果概要について」)は、彼らがそういう「予定」を国民にみえないところで詰めてきたことを明示した。

 それでも、一二月総選挙の投票率53パーセントのなかで、自民党は比例では、33パーセントの支持であるから、国民のなかでの厳密な支持率、純得票率は17パーセントにすぎない。しかも直前の最高裁判決は現行の投票権の不平等について「違憲状態だが選挙は有効」としたが、判事15人のうち、4人は選挙の有効性をみとめず、その他でも5人の裁判官が補足意見で、「違憲状態の選挙で選ばれた国会議員は国会の活動をする正統性がない」と言い切った。ようするに最高裁の半数以上が、現国会の正当性を認めていないのである。これは小選挙区制の矛盾が国家機構内部でも明示されたことを意味している。

 安保利権集団は、この間の経過で、九条改憲はできないことを思い知っており、昨年のいつかの段階で、参議院の多数をとれる今をのぞけば、自衛隊をアメリカ軍の下で動かすことはできなくなると判断したに違いない。彼らにとって今が千載一遇の好機にみえたのであろう。沖縄における翁長さんの勝利は、そういう判断を後押ししたに相違ない。

 安保法制の廃案にむけて共同した四野党は、この安保利権集団の出先である安部政権を国会から追い落とさねばならない。この四野党こそが国民のなかでは多数なのであるから、四野党はまとまって行動する必要がある。これは単純な話であろう。政治というものは、実は単純な話のはずである。四野党は、国会前集会では常識的に行動し、どの野党も、俺が俺がという態度はとらなかった。目の前にいる多数の人びとをみれば誰もそういうことはいえない。廃案まで行動すると国会前で発言した以上、その姿勢をそのまま延長してほしい。

 それ故に、問題は、第二の沖縄、第三の原発にある。そして、このうち難しいのは、この間の経過からいって沖縄の辺野古基地建設停止・普天間撤去で一致することかもしれない。

 しかし、この安保法制の問題は、状況を明確にした。右の統幕部文書には「沖縄県知事選挙時にはリバティーポリシーの実施、地域情勢に配慮して頂き感謝する。結果として普天間移設反対波の知事が就任したが、辺野古への移設問題は政治レヴェルの議論であるので、方針の変更はないという認識である。安倍政権は強力に推進するであろう」と述べて、米軍の選挙協力に感謝している。ここには、米軍と自衛隊が沖縄に対して明瞭に県民の意思とは違う政治計画をもって動いてきて、それは安保法制強行の計画と一連のものであったことを示している。

 これが明らかになった以上、沖縄の辺野古基地建設停止・普天間撤去は安保法制廃案と一連の問題として政策協定に入れられる必要があることは明らかである。この間の動きの基礎には沖縄の人びとの県をあげた動きがあった。沖縄の人びとと状況におされて全体の事態は動いてきたことは明らかである。問答無用、県知事とあう必要もないという姿勢が決壊したときに、列島全体に波が立ち始めた。四野党の政治家にはそれを想起してほしい。

 その上で考えるべきことは、沖縄では米軍と自衛隊の軍事協力による県民の権利侵害という違憲状態が、すでに実際に存在していることである。四野党が全国政党である以上、安保法制廃止の政策協定は、同時に辺野古基地建設停止・普天間撤去の政策協定でなければならない。そうでなければ、これだけの物議をかもした安保利権集団に対峙することにはならない。

 最後の原発政策転換については、何よりも福島と東北の全体のことに立ち戻って、初心にかえり、ものごとを考えるべきであろうと思う。この点では四野党を信頼したい。これは、この邦、この列島の将来に関わってくる。各政党の立場は、その将来像においてはことなっているだろう。それは当然のことである。しかし、将来を考える上での入り口の問題は一致できるようになっている。

 重要な機会であると思う。

 ともかく、出発点として、統合幕僚監部の文書「統幕長訪米時の(ママ)おける会談の結果概要について」を国会で徹底的に議論してほしい。国民の目の届かないところで何が行われていたのかを知る権利がある。


 老子の八章は「上善は水の如し」であるが、その結論は「動には時を善しとす」である。

老子8 上善は水の如し。
 上善は水の如し。水はすべてを潤して争わない。水はすべての人に悪まれるところにいる。それこそ人間の歩むべき道であり、運命である。
 住居は大地に近く素朴で、心は淵のように深くありたい。交友は仁義を篤くし、言葉は信を守り、正義も安定のなかにあってほしい。また事に処するのにはおのおのの能というものをわきまえながら、行動は時を外さないようにしたい。
 そもそも平和というのは人に責任をもっていかないということだ。

 上善は水の若し。水は万物を利して争わず。
 衆人の悪む所に処る。故に道に幾し。
 居には地を善しとし、心には淵きを善しとし、
 与(とも)にするは仁を善しとし、言には信を善しとし、
 正には治を善しとし、事には能を善しとし、動には時を善しとす。
 夫(そ)れ、唯(ただ)争わず、故に尤(とが)め無し。

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