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2016年2月10日 (水)

バーニー・サンダースは極端な政治家ではない。

バーニー・サンダースは極端な政治家ではない。
 バーニー・サンダースは極端な政治家ではない。トランプはたしかに極端で変わった人間だが、サンダースは常識人だ。日本のメディアは例によってまっとうな報道をしない。彼らは政治家というと困ったチャンと思うのだ。日本の一部政治家を政治家の典型と思っているから、想像力が働かないのだろう。

 サンダースはヨーロッパでいえば普通の政治家である。なにしろアメリカというのは一面で、国民皆保険を「社会主義だ」という少しお馬鹿の大国だから、その標準から政治家を評価していてはまったくの誤りになる。

 サンダースの演説を読んでいると、アメリカ社会の格差拡大、インフラストラクチャの劣化、不当な選挙資金調達システム、不正な八百長経済などなど、これは進歩も保守もない問題だ。これを見過ごすのは不道徳だ、アメリカの現在の状態は異常だという主張は実にストレートで説得的だ。

 サンダースの「進歩も保守もない。右翼も左翼もない」という主張は、私には共感できる。歴史家は保守の立場をベースとして進歩の方向を見定めるのが役割であり、日本のように民族の基本を外国に押さえられている国では、右翼も左翼もないというのは常識的な話しだ。こういう日本のような国では極右・極左をやっているのはよっぽどの世間知らずか、お坊ちゃんだ。

 サンダースは、1970年代からヴァーモントで社会活動と政治活動をはじめ、1981年には、39歳で、ヴァーモントでもっとも大きく影響力のあるバーリングトンの市長となった。おもな支持者はヴァーモント大学などの教授連、社会福祉関係者と警官の組合で、民主党と共和党の候補をやぶって市長としてあわせて4回8年の任期をまっとうした。その段階から「社会主義者」を自称し、アメリカの南アメリカ政策に対して正面から批判的な立場をとり、シティーホールでノーム・チョムスキーを呼んで講演を組織するなど、その立場は一貫していたが、有能な市長として評価は高かった。

 1987年にはU.S,Newsがサンダースをバーリングトンをもっとも住みやすい町にしたアメリカ最良の市長であるとしたという。ヴァーモントでは非常に強い支持をうけている。

 しかし、1989年の市長選には立候補せず、その年はハーバートで教えている。サンダースは政治学専攻の研究者としての側面ももち、妻のオメラも後にバーリングトンカレッジの学長となっている。

 しかし、サンダースは1990年ヴァーモントの下院議員に民主党にも共和党にも属さないインディペンデントの立場で当選し、そののち16年間、一回を除いて圧倒的な勝利で下院議員を勤め続けた。これは独立無所属の下院議員としては40年ぶりのことであったという。その立場を20年近く維持していることになる。そして2006年に、その立場のまま上院議員に立候補し、圧倒的な勝利をおさめた。民主党に属さず、しかし、民主党のリベラルグループと会派を作り、その委員長として、イラク戦争に反対し、市民権利制限法に反対し、リベラル勢力の中枢にいたということである。

 以上は、『SENATOR BERNIE SANDERS』(Robert Shelley)によったが、サンダースの演説を読んでみると、ようするにサンダースは地域の社会活動のなかから徐々に全国政治に入り込んでいった普通の政治家であることがわかる。魅力的な人らしい。

  もちろん、相当にしっかりした人物で、筋金入りであることも明らかで、サンダースは1960年代のアメリカ学生運動の中心であったSNCC(学生非暴力委員会。Student Nonviolent Coordinating Committee)の活動家である。彼らは、アメリカの黒人差別に抗議する公民権運動をにない、そしてベトナム戦争反対の運動を担った。

 サンダースはマーチン・ルーサー・キングの指導した、1963年のワシントン大行進に参加しており、だから、彼はキング牧師の「I have a dream」という有名な演説をその場できいている。私より5歳ほど上だが、ようするにまったくの同世代である。イギリスのコービンも同じ。

 ヨーロッパ、アメリカで明瞭に対抗的な政治家が影響を広げている。私より年が少し上だが感じがよくわかる。同世代と思う。他国の政治家を同世代と感じるというのは初めてのこと。歴史が一巡り巡ったということか。

以下、【B・サンダース】2月9日のツイートである。
サンダースはニューハンプシャーで大差で勝てば勝利の可能性があるといっている。

Bernie Has a Message for New Hampshire
What this campaign is about is ending a corrupt campaign finance system, a rigged economy, and a broken criminal justice system. Join us.
If there is a high turnout tomorrow, in Hampshire ,I think we are going to win. I urge you all: come out and vote. Thanks.

バーニーサンダースのニューハンプシャーの人びとへのメッセージ
 私たちが訴えているのは、腐った選挙費用のシステム、不正な経済システム、そして壊れてしまった犯罪の捜査と審判のシステムなどの全てに片をつけることだ。もし、明日のハンプシャーで大きな前進があれば、私は勝てるだろうと思う。ぜひ、みんなで出てきて投票しよう。Thanks.


日本にとって重要なのはTPPである。現在の段階で、サンダースが「TPPを葬る to kill the TPP」と宣言していることの意味は重大である。

Vermont Sen. Bernie Sanders, who pledged Wednesday to kill the TPP agreement if he gets elected.

"As your president, not only will I make sure that the TPP does not get implemented, I will not send any trade deal to Congress that will make it easier for corporations to outsource American jobs overseas," he said. "Trade is a good thing. But trade has got to be fair. And the TPP is anything but fair."

【サンダース】2月3日(水)、サンダースは大統領になったら、TPPを葬ると宣言した。「TPPを発効させないだけでなく、企業が国民の仕事口を海外にアウトソースしやすくする通商協定はすべて議会に送らない。貿易はよいことだが、フェアなものでなければならない。TPPはその反対だ」

We must learn from other nations who say to their young people: You want to go to college? You can go to college, regardless of your income.

私たちは、他の国々に学ばなければならないところにいる。「大学に行きたいか。それならにいくべきだ。家族の収入とは関係ないだろう」。多くの国々では、大人たちは、そういうことを若者にいうのが普通なのだ。

While we tackle grotesque levels of income inequality in this country, we must simultaneously address the structural racism so many endure.

私たちは、この国におけるグロテスクな所得格差に取り組むと同時に、あまりに多くの人びとが人種差別に苦しんでいる現実を重視しなくてはならない。


In 2014, drug makers spent $250 million on lobbying and campaign contributions. Even in DC, that’s a lot of money.

2014 年に、医薬品メーカーは、ロビー活動や政治キャンペーンへの寄付で $ 2 億 5000 万を使った。これはワシントン・DC にとっても、さすがにでかい金だ。


We have a moral responsibility to reduce the growing gap between the very rich and everyone else.

ヴェリーリッチと普通の人びとのあいだでどんどん広がっている格差を縮めるのは、すでに一種の道徳的な責任の問題になっている。

The true greatness of a country does not lie in the number of millionaires and billionaires it has.

国というものの真の偉大さは、億万長者や百万長者の数には関係ない。

Drug industry launches ad campaign as it lobbies against any effort to rein in prescription costs -@joewalkerWSJ. http://1.usa.gov/1SZUQQk

不要な薬を処方せず、費用を抑えようという動きに対して、製薬業界はロビー活動をしながら、広告キャンペーンを打っている。

In the year 2016, a job must lift Americans out of poverty, not keep them in it. We have got to raise the minimum wage to a living wage.

2016 年は、貧困のなかにアメリカを停滞させるのではなく、そこから抜け出るための仕事をする年だ。我々は十分に生活できるレベルの最低賃金を獲得しなければならない。


毎日新聞のアメリカ大統領選挙の今日のツイートには「クリントン氏は、候補指名を争うサンダース上院議員が大手金融機関と関係する資金を受け取っていたと指摘。資金提供があっても、自分たちは考えを変えてないと強調しました。金融業界(ウォール街)との関係を指摘されてきたことへの反撃です」とある。しかし、これにはサンダースのHPに反論がある。$200,000をWall Streetから受けたというが、Democratic Senatorial Campaign Committee からのもので、これは個人や組合の少額献金の集合だ。虚偽宣伝だと反批判している。

“Today’s attack from Secretary Clinton, whose super PAC received $15 million from Wall Street, is even more absurd. Bernie Sanders, who has never accepted corporate PAC money in his life, is now accused by Secretary Clinton of taking ‘about $200,000 from Wall Street firms.’ How do they reach that false and absurd conclusion? They assume that every nickel Bernie Sanders received from the Democratic Senatorial Campaign Committee for his Senate campaign came from Wall Street. That is obviously preposterous.
“Bernie appreciates the help he has gotten from the DSCC, whose funds come from millions of Americans’ individual contributions, labor organizations, environmental groups, women’s organizations and others. To say that every nickel that Bernie received came from Wall Street is beyond preposterous. It is laughable and suggests the kind of disarray that the Clinton campaign finds itself in today.”

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