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2016年4月22日 (金)

サンダース。民主党ニューヨーク予備選敗北の弁

 ジョー・バイデンが昨日(木曜)のニューヨーク・タイムズのインタビューで、サンダースを支持するかのような発言をしたようである(PLITICOから)。日本のジャーナリズムは、依然としてサンダースについて活発な報道はせず、ニューヨークですべて決まったかのような報道が目立つが、現実には、サンダースの行動がアメリカで大きな波になっていることを示している。以下、翻訳して、引用しておく。


 ジョー・バイデン副大統領はアメリカは初の女性大統領をもつ準備ができていると思っているが、この民主党の大統領予備選挙では、彼はヒラリー・クリントンのものよりバーニー・サンダースのメッセージを好むようだ。
「私は、”We dan。我々ができるということは、さらにその先へ行けるということだという考え方が好きだ」と、バイデンは木曜日に発表されるインタビューにおいてニューヨークタイムズに話した。
クリントンは、いうまでもなくオバマのキャビネットに属していた人物だが、彼女は、サンダースの大胆な提案について、そういう政策は実際的でないとして、サンダーズを非難した。
“私は、これまで勝利した民主党候補が「我々それは話しが大きすぎる。我々はここで小さく考えよう。なぜならそれは実際的でないから」などといったのは聞いたことがない」とバイデンは言った。
「やってみよう。民主党なんだから!
でもできないよ、なんていう政治には参加できない」。
バイデンは、彼とバラク・オバマ大統領は予備選挙で誰かを支持しようというプランをもたないといっていたし、さらにつけくわえて、正副大統領というものは、成功する目のないことは押さないもので、そんなことをしたら、あるべき権威というものが曖昧になってしまうといっていた。
“Iは、(クリントンのいうような)考え方にはまったく賛同できない。
大事なことは何でも時間がかかる。もちろん、オバマ大統領が見事に突破したオバマ・ケアへの道のような例外はあるが、“はI’veがこれまでに心配したすべてです?president’sを除いて入手可能な世話の素晴らしい一節が行うこと?時間がかかります。
大規模な仕事を実現する唯一の道は、それを議論することだ。


Nyuyoku


 この図は Believe In Bernie(@ND4Bernie )からとったものだが、サンダースはニューヨークで敗北したが、まだまだ勝機はあると主張している。図をみれば明らかだが、代議員の数の差は237で、まだ1400の代議員の選出が残っている。たしかに400を越える特別代議員がクリントンについているが、一般代議員だけからみると、クリントンを超える可能性は十分にある。左側の「青」と「茶色」の棒グラフで表されたニューヨークでの獲得代議員の差は、そのなかでは大きなものではないという主張である。

 アメリカの大統領選挙、さらには州議会、市議会などの選挙の制度はきわめて複雑なもので、なかなか理解しづらいが、アメリカ人が大統領選挙というものをどう感じているかを考える上でまず大事なのは、アメリカ大統領選挙が、オリンピックと同じように閏年に行われることなのかもしれない。

 英語で閏年はLeapYearというが、「Election Years are Leap Yearsーー選挙は閏年」というのがきまり言葉である。LeapYearというのは四年の間隔をLeap(跳ねる・飛びこえる)してやってくる年ということになる。LeapYearだけには女性からの結婚申し込みが許されるという話しもあって、変わった年というイメージらしい。またLeap dayというのは閏年の二月二九日のことで、スーパーマンは、この日に生まれたという都市伝説もある。ようするに閏年というのは話題の多い面白い年ということになる。

 アメリカ大統領選挙がかならず閏年に行われる理由は単純なものである。つまり、アメリカ大統領選挙の仕組みは、アメリカ独立戦争(1775一1781)の後、一七八八年に批准されたアメリカ合州国憲法で詳しく決められた。この憲法批准の年、一七八八年が閏年だったのである。そして、初代大統領ジョージ・ワシントンが大統領に就任したのが翌年四月だったのであるが、この憲法の第2条第1節(一項)は大統領の任期を四年と規定している。こうして、これをひきついで、アメリカの大統領は、閏年に選挙で決定され、四年ごとの閏年の翌年に任命されるということになった(現在は一月に就任式)。

 さらに、憲法には、四年の任期の途中で大統領が死去したなどの場合のために権限の強い副大統領を交代要員として同時に選挙するという仕組みが書かれている。たとえばシオドア・ルーズヴェルトや、近いところだとリンドン・B・ジョンソンなど、実際に、何人もの重要な大統領が副大統領から就任している。彼らの任期は前任の大統領の任期の残り分であり、それによって大統領を四年ごとの閏年に選ぶという慣習は忠実に維持されることになっている。この副大統領制も大統領の四年任期、閏年選出を前提にした制度的な工夫なのである。

 こうして、アメリカは、もう二五〇年以上、Election Years are Leap Yearsというやり方を通してきたのである。アメリカの文化には、ヨーロッパ宗教改革におけるカルヴァン派の影響の下で、一種の合理主義があるが、四年に一度に大統領を選挙するというやり方は、彼らの合理主義が「数にこだわる」という形であらわれたものなのかもしれない。大統領選挙の日程は閏年の一一月の第一月曜日の次の火曜日ときめられているのも面白い(今年二〇一六年の場合は一一月八日)。ともかくアメリカ人は、こういう大統領選挙の仕組みを自然なことだと感じてきた。

 大統領選挙でもうひとつ特徴的なのは、大統領候補の間での討論がもつ決定的な意味だろう。これも一種の合理主義ということができるだろうが、討論・ディベートの重視である。討論が下手であったり、ジョークがうまくない人間は大統領になれないという訳である。マスコミは、派手なテレビの宣伝と討論が繰り広げられて選挙一色になり、さらに最近ではインターネットの上で飛び交う情報の量はものすごいものに達している。アメリカ国民は、四年に一度、大統領選挙という「政治劇」に熱中するようにみえるのである。逆にいうと、アメリカ独特の大統領制は、こういう選挙を舞台装置とする劇場政治によって支えられているようにみえる。

 しかし、これは外から見ているとしばしば興ざめなもので、選挙制度の複雑さもあって、アメリカの内部で盛り上がっていても仕方ないではないかというのが、私などの、これまでの感じ方であった。けれども、今回のサンダースの動きは、明らかにそれを越えていて、明らかに一つの強力な社会運動となっている。

 とくに日本にとって問題なのは、これが日本の世論や社会運動と相互影響することであろう。選挙の過程で多くの人の意思を示そうという動きが一種の社会運動として展開するというのは、これまでの日本の政治ではなかなか見られなかったが、最近の「野党共闘」の動きはそういうもので、基本的な発想は日本とアメリカで共通しているように思えるのである。

 そういうように社会運動となった場合、選挙というのがしつこい動きになるかどうかがキーだろう。バーニーの自伝『アウトサイダーからホワイト・ハウスへ』(Outsider in the White House)を読むと、バーニーは選挙でギリギリまで粘り、少ない得票差で市長から下院議員・上院議員と階段を上っていったことがよくわかる。しつこさでは筋金入りである。 

 ニューヨークでの敗北は、サンダースにとって厳しいものであった。もちろん、実際には、サンダースへの支持が拡大している様子は、ほとんど他の州と変わりはない。実際にサンダースは郡部ではほとんど勝利しており、しばしば圧倒的な支持をえている。ただ、大きかったのは、ニューヨークの予備選の投票システムが厳しいことで、そのためニューヨークの人口の30%以上を占める独立無党派の人びとの意見がまったく反映しないことであった。民主党予備選のシステムでは、アメリカ50州のなかでも11州が、投票権を予備選選挙当日に付与することはできない、不在投票なしなどの制約をもっているが、ニュヨークは、そのなかでももっとも厳しく、党員登録を昨年の11月までにしていなければならないというものであった。しかも、投票場が時間通りに開かなかったり、投票機械機会が不調であったり、さらにもっとも政治的にアクティブなブルックリンで125,000ほどの投票者が民主党登録をしてあるにもかかわらず投票権者リストにのっていなかったり、などの不祥事が頻発した。

 そういう事情はあったにしても、このニューヨークでの敗北によって、サンダースが、7月の民主党大会で大統領候補に選出される可能性は極小化し、減少したことは明らかである。

 しかし、ここまでくれば、サンダースとその支持者が撤退することは考えられない。下に、サンダースのニューヨーク敗北の弁を引用したが、「現在までに至るこの11ヶ月半の選挙戦は、非常に長い道のりだった。初期には世論調査で60%から65%近くも離されていたが、最近の世論調査では、私たちがリードするような結果も出て来ている。現在勢いがあるのは私たちだと信じているし、勝利への道筋はあると確信している」という訳である。

 選挙というのは、人びとが、一度、方向を決めて、大規模に動きだせば、しつこい動きになるものだと思う。それはようするに、進み具合が数で分かるからだろう。アメリカのツイッターをみていると、アメリカの人びとの数へのこだわりは、ネットワークの拡大によって独特な形で強まっているように思える。みんなが、数の計算を始めているのである。

 以下がサンダースのニューヨーク敗北の弁である。なかなか感じのよいもので、実際にお聞きになることを御勧めする(https://youtu.be/HXWXJshFqqc。私には、バーニーのしゃがれ声の談話を聞き取る能力はないので、家族の助けをえた。翻訳も。ありがとう)。


Today, we took Secretary Clinton on in our own state of New York and we lost.
I congratulate Secretary Clinton on her victory.
Next week, we will be competing in Pennsylvania, Connecticut, Rhode Island ,Maryland and Delaware.
And we look forward to winning a number of those states.

Over the last 11 and half months,this campaign has come a very, very long way.
We started off 60-65 percent points behind in the polls.
A few recent polls actually had us in the lead.
We believe we have the momentum and we believe we have a path toward victory.

While I congratulate Secretary Clinton, I must say that I am really concerned about the conduct of the voting process in New York state, and I hope that that process will change in the future. And I’m not alone about my concerns. The comptroller of the City of New York talked today about voter irregularities and about chaos at the polling places. As did the mayor of the city of New York, Mayor de Blasio.
I remain also concerned that in the state as large as New York, almost 30% of the eligible voters, some 3,000,000 New Yorkes were unable to vote today because they have registered as Independents, not Democrats or Republicans.
And that doesn't make sense at all to me.
People should have the right to participate in a primary and vote for their candidate of the president of the United States.

So, we lost the night, there are 5 primaries on newt week.
We think we're going to do well and we have a path toward victory which we are going to fight to maintain.
So thank you all very much for being here.

 今日、私たちは私たちの州、ニューヨークでクリントン長官を相手に闘ったが、敗北という結果だった。勝利を収めたクリントン長官にはおめでとうと言いたい。

 来週にはペンシルベニア、コネチカット、ロードアイランド、メリーランド、デラウェアで予備選があり、それらの州において複数の勝利を勝ち取る事を期待している。

 現在までに至るこの11ヶ月半の選挙戦は、非常に長い道のりだった。初期には世論調査で60%から65%近くも離されていたが、最近の世論調査では、私たちがリードするような結果も出て来ている。現在勢いがあるのは私たちだと信じているし、勝利への道筋はあると確信している。
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 クリントン長官には祝福を送るが、同時にニューヨーク州での投票の運営に関して懸念を抱いていることは述べておかねばならない。投票方法が将来は改善されることに期待しているが、このことについて懸念を抱いているのは私だけではない。ニューヨーク市の監査者も今日、投票者の不公平と投票所での混乱について語った。ニューヨーク市長、デブラシオ市長も同じである。

 私はまたニューヨークのような大きな州において、有権者の30%近くにあたる、300万人のニューヨーカーが共和党や民主党ではなく独立無党派として登録しているために投票が出来ない、という事態に懸念を抱き続ける。私にはこのことは全く納得出来ない。人々は合衆国大統領の候補者を選ぶ予備選に参加し、投票する権利を持つべきだ。

今夜私たちは勝つことが出来なかったが、来週には5つの予備選が待っている。よい結果を収められると考えているし、勝利への道筋から外れることないよう闘い続けたい。
今日は集まってくれてどうもありがとう。

       

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