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2017年4月14日 (金)

朝鮮半島情勢、政府と野党は全力で軍事危機を避ける対応を

 朝鮮半島で緊張が高まっている。明日15日が韓国の大統領選挙告示、かつ北朝鮮の故金日成主席の生誕105年に当たる。北朝鮮の核実験の可能性が指摘されており、アメリカ・北朝鮮・韓国・日本の間で緊張が高まっている。米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト「38ノース」は13日、北朝鮮北東部の咸鏡北道・豊渓里にある核実験場で核実験の準備が完了したとする衛星写真の分析結果を示したという。北朝鮮がどうでるかはわからないが、緊張が高まっただけに状況は軽視できない。

 北朝鮮とトランプは、両方とも何をやりだすかわからない。トランプの背後には確実にアメリカ軍部と兵器産業がいる。湾岸戦争、イラク戦争以来、押さえ込まれていた軍部のなかに、ブッシュの下での戦争の全能感が復活している。彼らはシリア・アフガン・東アジアの各所で戦争体制を構築しようとしている。アメリカはいわば戦争慣れしており、とくに東アジアを自由行動可能な勢力圏と軽くみている。偶発事件が起こりうる。

 政府は急ぎ韓国政府と協議し、アメリカに対して、「日本・韓国の頭越しでの火遊びは許さない、軍事的対応を行なうな」などの申し入れを行わなければならない。実際に戦争被害が起きる可能性があることを正面からみてほしい。トランプの戦争では何も解決しない。そもそもトランプは支持率を落としており、戦争をアメリカ国内へ向けての宣伝のためにやっていることは明らかだ。

 また民進党・共産党・社民党・自由党など日本の野党は、アメリカ・韓国の戦争反対の勢力に対して、急ぎ共同メーッセージを発してほしいと思う。今後の状況を観測しようというのではなく、最初に明瞭な姿勢を示すことが大事だろう。これは国民は誰も異論がない。そして、トランプに対応する上では国際的連携をとることが決定的に重要であり、国際的な理路がみえないままでは状況は悪化する。

 東アジアで戦争が実際に問題となるのは、60年代のベトナム戦争以来である。アメリカでは、第二次世界大戦における太平洋戦線の記憶は遠くなっており、またベトナム戦争の記憶も後景に退いている。この中で、アメリカでは、世界をヨーロッパを中心にみる傾向が強くなっている。ヨーロッパ→イスラエル→パレスチナ→中東という視線だ。しかし、現実には、アメリカの世界戦略は、むしろ逆の方向、つまり太平洋→日本→インド洋という空と海の軍事網によって支えられていることはいうまでもない。

 心配なのは、アメリカの反戦争勢力も、同じようなヨーロッパ中心の視線をもっているようにみえることである。彼らは、バーニー・サンダースをふくめてアジアの状況についての認識に敏速さを欠く。これはアメリカの戦争が中東を中心としていたことの影響でもあるが、同時に、アメリカの反戦争の勢力の間ではアメリカのベトナム戦争への総括が、アジアへの目を深める形で進んでこなかったことを意味するのではないかというのが心配である。東アジアに対する認識が弱い状態が続いている。

 野党は、合同でまずアメリカの民主党に対して直接に呼びかけてほしいと思う。アメリカ民主党の一部はシリアへの爆撃を支持したが、現在、アジアでの戦争には賛同しないと考えられる。万が一の状況の混乱の前に、理路をはっきりさせることが重要だと思う。

 日本の国際的な位置と責務はきわめて高い。アメリカとの間では、各政党は、すでにそういう直接の議論を恒常的にもっていく責任がある。

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