東日本大震災の宮城県以南の死者はすべて国に責任がある
前橋地裁判決のいうのは3・11の被害は人災だったということです。判決の論理からいうとそれは原発事故に限りません。これを震災後六年たって、国の機関が初めて認めた訳です。
学会では常識でしたから、これが「初めて」というのが悲しいところです。もし国が常識をもって運営されていれば、こんなに損害賠償が少ないことはなかった筈です。
二〇〇二年に地震学者が中心になって発表した地震本部の「長期評価」は三陸沖から房総沖でマグニチュード8・2クラスの地震が、今後二〇年以内に二〇%の確率で起こりうると予測しました。そのころ同時に八六九年の津波が残した痕跡砂層の研究が進んでいて、日本地震学会が二〇〇七年に出版した『地震予知の科学』には東北には近く巨大な地震・津波が来ると書くまでになっていました。
そんなことは知らなかったと言われるでしょうが、これは当時の小泉首相を会長とする中央防災会議が、原発業界におされて岩手沖津波しか認めず、「長期評価」を防災計画に反映しなかったためです。
ですから、震災の犠牲者の八割、宮城県以南の死者はすべて国に責任があるということです。小泉さんが、最近、原発廃止の立場に立たれているのは正しいと思いますが、この過誤の責任は曖昧にできないもので、本来、膨大な賠償が必要なものです
私も三・一一を経て、日本が地震火山列島であることをはじめて本当の意味で認識しました。歴史の根本から考え、それが国民の常識にならねば死者は浮かばれません。(了)
先日、赤旗(日曜版)のインタビューに答えたもの。23日付けででるらしく、見本紙が届いた。新聞だから出しておいてよいのだろう。
原告の方の談話がのっていて、胸にせまる。
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